禁断の果実に遂に手を付け始めた人類。もはやクローン人間誕生は時間の問題だろう。
果たしてこの究極の技術が人類に及ぼす影響とは?


■ 自ら進化を止める人類〜その1 クローンの限界

クローン技術はもういつヒトのクローンを作り出すか?ってあたりになっちゃってる感があるよね。

クローン羊誕生の報道は全世界にショックを与えました。
みんな「もうそろそろ・・・」って薄々勘付いていただけに「遂に来たか!」って印象だったですよね。

さぁ、そこであのクローン羊のドリーなんだけどさ、この羊は生まれた時から既にクローン元の母羊と同じ6歳の細胞を持ってたのって知ってる?

生まれたばかりなのにもう6歳?

細胞の染色体の両端には「テロメア」と呼ばれる塩基配列が存在するんですが、テロメアは細胞分裂を繰り返すたびに短くなるとされてまして、テロメアには細胞の老化との関係が推測されているんですよ。

そのテロメアが6歳のモノと同じ長さだったのよね。
ま、同じ物を作り出そうって言うんだから当然と言えば当然の結果なんだけど。

じゃあ例えばクローン元がおじいちゃんなら、生まれてきた子もやっぱり本質的にはおじいちゃんってことになるワケですか。

こう言う事実を知ると神の意志みたいなモノを感じるのもわからないじゃないよね。「うまい具合にできてるな〜」ってね。

まだまだクローン技術も発展途上なんですね。
わたしもう十分実用に足るモノだって思ってましたよ。

いやいや、実用しようと思えばできるのよ。ただ若干問題がありますよ、ってだけで。

でもその問題点って致命的じゃないですか。クローンっていわば人間のエゴみたいなところを突いたモノなんでしょ。でもそれを満足させるどころか失望させるようなコトになってるワケだもん。

でもさ、その最大の難関「テロメア」、逆にここの謎さえ解ければクローン技術は恐ろしい現実を生み出すことになるんだよね。

どう言うことです?

テロメアの長さを操ることができたらどうなると思う?

クローンが母細胞の情報じゃなくて、赤ちゃんなら赤ちゃんの状態で生まれてくることができるようになるってことですよね。

それって不老不死につながるじゃないですか!

世界中の研究者が今血眼になって研究してるのが実はそこの技術なワケ。
事実もう活性細胞とテロメラーゼって物質の研究で目処がついてるとまで言われてるの。

しかしクローン人間を作るって言うのは自然の摂理から大きく逸脱した行為ですから、そこで理性と言いますか感情的、道義的、倫理的問題で歯止めがかかってるんですね。

イヤ、そんなに簡単なお話じゃないのよ。
これは今実際にアメリカの某宗教団体が計画してることなんだけど、交通事故で亡くなった6歳の子のクローンを作り出そうって言う計画があるのよ。これってさ、子供を亡くした親からすればたとえ全世界を敵に回してでも実現させたいことだと思うの。

そこに世界的な見地での倫理観なんて立ち入る余地は無いでしょうね。

実際その行為が「生き返る」と言うことと同義なのかどうかは疑問なんだけどさ、その気持ちわからないではないよ。

う〜ん、難しい問題ですねぇ。

実際に目に見えて影響をつかみにくい事象、まぁこの場合はクローンや不老不死が実現することによって確実に人口爆発が引き起こされるって言うのがあると思うんだけど、そんな人類全体や地球のことまで考えた上で、「生き返る」子供を諦めたりできるだろうか?って思っちゃうんだな。

当事者にとっては「クローンを1人作る」って言う行為だけですし、そのクローン1人と出現事象に関連づけができないんですよね。

目に見えませんもんね。

それと、たとえばわたしがこの美貌をいつまでも保ちたいと願ってクローンを作ったとする、そしてその目的は若いクローンに脳を移植することで達成される、こう設定してちょうだい。

ちょっとひっかかる点がありますが、まぁいいです。そう設定しましょう。

今のクローンって言うのは体細胞から核を取り出して未受精卵へ移植させる技術なのね。当然そこからは赤ん坊が生まれてくるワケ。
わたしが脳を20歳の身体へ移植させるタメには、作り出されるクローンを20年間育てなければならないのね。それも毎年移植させようって言うのなら毎年1人ずつ育てていかなきゃならない赤ん坊が増えていくワケよ。

現実問題無理ですね。

それと生体としての組成は確かに同じかもしれないけど、いわばそのクローンって言うのは一卵性双生児みたいなモノで、やっぱクローンの彼女にも人格は認められるべきなのよね。同じように育てたとしても決して同じじゃないのよ。
じゃあ一体クローンを作り出すことの目的って何なんだろう?ってことになっちゃうんだよね。

食物とかかなぁ?肉にしろ野菜にしろどんどんできるワケだもんね。

これはまた後でお話するんだけど、そういうのをクローンで作っちゃうと病原菌とかちょっとした環境の変化に対応できなくて全滅の危険性があるんだよね。同じ手間のかかる養殖と比較しても優位性を感じるべきトコロもないし。

なんのためのクローンなんだろ?わかんなくなってきました。

人間から細胞を取り出してそれを増殖させる。生体移植なんかには最適だろうし、先天的にしろ後天的にしろハンデのある人にとっても歓迎すべき話だよね。
こう言う研究は本来そういうところに行くべきお話なんだけど「コピーされた新しい生命」って言うワケのわかんない方向に進んでるのは悲しい限りよ。
ハイ、このお話は「その2」へ続くよ〜ん。

久しぶりに更新したと思ったら途中ヤメですか。。。

失礼ねっ!1つに収まりきらないだけよ!

どうやら次回更新は早い模様です(笑)

         
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